ミラノの歴史も、「次から次へと変遷する中で未来に受け渡すものを創っている」が印象です。
紀元前600年のケルト人の町を元にし、古代ローマの支配を受けました。
中世後期とルネッサンス時代にはミラノはヴィスコンテ家とスフォルツオ家のミラノ公国になりましたが、
1500年フランス軍が占領し、1535年ミラノ公国は終焉しました。
1600年代末から1700年代初めにかけてヨーロッパを巻き込んだ幾多の戦争の結果、
オーストリアの統治下になって文化、経済、建築と成長拡大時代に入りました。
ナポレオンはミラノをイタリア王国の首都としました。
1848年、ミラノはイタリア統一運動の中心地となり、1861年イタリア王国宣言されます。
第2次世界大戦で敗戦するが復興目覚ましいものがあります。
◇ドゥオモ
雪まじりの寒風の冬の日も白く光り美しいドゥオモは輝いていた。
壮大などドゥオモは14世紀に着工されたが度重なる戦火によって施工が中断、完成したのは19世紀初頭のこと。
(ナポレオンの完成への意欲があったとのこと)
500年にわたり建造されたことになる。
そのため建築様式もルネッサンス、ゴシック‥様式も変わっていった。
多くの尖塔が空に向かって伸び、彫像が屋根上から地上を見下ろしている。(135本の尖塔と2245体の彫像)
聖堂内の装飾、新約聖書を題材にしたものなど巨大なステンドグラスも存在感があり、多くの歴史を秘めて美しい。
4台のパイプオルガンを所持。
若かりし40代に一度屋上まで上ったことがあったが、屋根の上の爽快感は忘れ難い。
こんなに大きな聖堂が建てられるのは人間の技かと信じがたかった。
◇オペラ「シモン ボッカネ―グラ」をスカラ座で鑑賞。
国民的英雄として人気が高いヴェルディの作曲である。
ジェノバの海賊が貴族へと成長していく時代の悲劇が舞台である。
総勢100人もの合唱、歌手の声量の迫力、舞台装置の大規模なことにオペラの醍醐味を充分味わえた。
寒いときでもあり、老婦人達は毛皮のコートを召していらした。
一生に一度と勇気を出して正面のバルコン席を東京から予約。
6人で一部屋らしいが、私たちの後ろに「今日が結婚60年の記念日」とおっしゃるご夫婦がアムステルダムから鑑賞にいらした。
大柄な方で椅子の足が高いとはいえ見えにくそうでやはり一番前の席の価値はあるのだった。