ジェノヴァ~ルーベンスの作品その1

◇赤の宮殿

邸宅郡のひとつ、赤の宮殿

邸宅郡のひとつ、赤の宮殿

外壁が赤みがかった石でデザインされたのでこう呼ばれています。

ガルバルディ通りに面して、過去は王侯の居住のような貴族の立派な館でしたが、
今では国家に寄付されて美術館になって、豪華な居室でコレクションを鑑賞できました。
ルーベンスの時代より後に建てられたとのこと。金ぴかな印象です。

赤の宮殿内部

 

ヴァン・ダイクの肖像画などもあり、
ベルナルド・ストロッツィの、少女がガチョウをさばく姿はまさにフランドルを感じます。
P.P.Rubens→Anton van Dyck→Ansaldo→Asseretoと続く系譜をジェノヴァ派と呼ぶらしいです。

ヴァン・ダイクの肖像画

ベルナルド・ストロッツィ『女料理人』

 

 

◇白い宮殿 16世紀末に建てられたが今は国家に住居ごと寄付され美術館となっています。驚くほどのフランドル派の作品も見られました。

白の宮殿

 

ここでルーベンスの絵とお目にかかれました。初めて見る画です。

『ヴィーナスとマルス』ルーベンス

イタリア語の題名のみで、解説もないので重要視されていなかった印象です。
仲よさそうな男性と女性の傍に天使がいたり、バッカス(ローマのお酒の神)がいる何か寓話っぽい絵ですが、説明も見当たりませんでした。
解説が必要ですが、記述されていないことは不詳なことが多いのかと思いました。

ルーベンス個人で全部描いたのではなく 工房の弟子たちも描いている作品かもしれません。
でもそれはこの時代には、罷り通っていたことですので非難されるに及びません。
いつか調べるに値すると思いました。ルーベンスの全盛期のタッチが明らかに見られます。アントワープはイタリア語ではANVERSAというらしいことが分かりました。
落ち着いた赤色の壁に3枚かかっている内の一枚として飾られていました。画集でも美術館でも記憶になく、初めて目にした絵でしたのでびっくりしました。

その他、カラヴァッジョ・・エッケ・ホモ、 ヴェロネーゼの作品、
スペインの画家、ムリーリョ、スバランもありました。

カラヴァッジョ『エッケ・ホモ』

 

◇トゥルシ宮
現在は、市庁舎として使用されているそうで、
古い貨幣や壺などジェノヴァの歴史を知ることができる展示になっていました。
隆盛を極めていた時、ジェノヴァはみょうばんを独占。
イギリスで生産されていた羊毛を染めるのにみょうばんが欠かせなかったそうなので、
羊毛の産地イギリス、タペストリーの生産地フランドルとの交易が盛んだったことを感じました。

フランドルからもたされたであろうタペストリーも展示されていた

トゥルシ宮で展示されている壺

トゥルシ宮で展示されている壺

中庭

 

ローマから離れ、ルネッサンスからも離れていたと思っていたジェネヴァでしたが、名画を数々鑑賞できて静かな穴場のように感じました。