ヴェネツィア到着

サンタルチア駅に到着

サンタルチア駅に到着!2月の後半であるが日中の温度も零下2度、その上アルプス越えの風は容赦なく吹き付け、観光客は寒さに身震いしていた。
運河に掛かった橋を越えなければ島に入れない。波打つ運河に掛かる階段をラゲージを引きながら上って、また下る一突如として群れの中から「うどんが食べたーい」の若き女子の日本語が耳に入ってきた。悲痛なる本音と聴いた。風が冷たくてとにかく寒いのである。やれやれとホテルでチェックインして、すぐ町を探索だ。

路地が入り組むヴェネツイアの街

カーニバルのお祭りも終わって、春を迎える前のオフシーズンであるのに予想以上に町は人が多い。賑わっているという言葉は使えないが若者の観光客が多い。町は古の栄光を“見てね”の歓迎ぶりである。
狭い路地がひしめきあっていて、さすがのスマホ扱いも手こずった。何しろ大通りと思うような通りが2メートル足らずの路地であるからその感覚は旅人には理解に時間がかかる。

道に迷いながらも船着き場にたどり着き水上バスの暖かい船室に座った時にはほっとした。サン・マルコ広場へ向かう。

15世紀半ばまで海洋国として遠くビザンチン帝国と交易をして繁盛した全盛期の建物がずらりと並び往時を偲ばせてくれる。4階建て、5階建ての建物には、事務所、会社、住居が同居しているようだが、それが一体となって美しい色調で水の上に浮かんでいる如く建っている。

水上バスからサンマルコ広場を望む

…ヴェネツィア共和国の歴史が頭をよぎる。元々はポー川の一帯で塩を作り、塩魚を生業とする漁村であったのが、北からの蛮族の襲来に備えて湿地帯に杭を埋め込み地盤をつくり陸に仕上げた。流れが淀まないように運河をめぐらして舟で往来するというユニークな発想が生まれた。
海を陸にかえていくオランダのアムステルダムの町づくりはヴェネチアと深い関係があるのではないか?

いずれにせよ、ルーベンスの目には、ヴェネツィアの街はどのように映ったのだろうか。
探索を続ける。