ルーベンスの絵を所蔵している美術館を巡った。
ボルゲーゼ美術館は、ボルゲーゼが個人で蒐集した作品があまりに素晴らしいので、
彼の財産を国が購入して1901年創設の秀逸品揃いの美術館である。
鑑賞は2時間と決められていて交代制になっている。
予約必須。荷物も預けての鑑賞である。
第18室にルーベンスの作品が2つある。
まずは「ピエタ」。
1602年、最初のローマ滞在の折に描かれた。
キリストの姿の乳白色の体、マグダラのマリアの肢体がユニークである。
初めてお目にかかった絵である。
ルーベンス展で再会。
すぐ横に、「スザンナと長老たち」
こちらも先日のルーベンス展で再会した。
第1室にはパオリーナ・ボナパルテの横たわる大理石像、ただただ美しい!
第2室ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの「ダビデ」(1623~1624年)
人気のある作品で大変にぎわっていた。作者の意図する角度があるのでこれを欠かしてはならない。
ベルニーニの彫刻を多分ルーベンスは見る機会がなかったと思われるが
神話を劇的に表現する彫刻作品の数々を見ていたらどんなに魅了されたであろうか。
何かルーベンスと一致するものが流れている、時代性を感じた。
特に貞潔なニンフ、ダフネの月桂樹への変身と
空しくそのあとを追う光の神アポロンの姿の造形(1622~1624年)の迫力、と果たしない愛情の哀しさを感じさせる作品である。
そして、第20室 ティツィア―ノ、「聖愛と俗愛」(1514)も決して見逃してはいけない。
この他にも、素晴らしいコレクションが多く、是非多くの方々に訪れてほしい。