ルーベンス展も終わりに近づいているが、
こちらは、若きルーベンスを追いかけたイタリア旅行に話を戻そう。
カトリックの総本山はヴァチカンである。
一国をなしていることは、我が国においても千代田区麹町に「ヴァチカン市国大使館」の表札がかかるお屋敷があることで納得する。
そのヴァチカン国がローマの都市の一角に存在することさえユニークである。
歴史は意外に新しく1929年のラテラーノ条約でヴァチカンは独立国になったとのことである。
テヴェレ河をはさんで町と反対側に位置しているが、サン・ピエトロ寺院はローマのこの地で殉教した聖ペテロの墓の上に建てられている。
ヴァチカンの土地自身が殉教者の広大な墓があったと言いう事である。
ルーベンスはこのサン・ピエトロ寺院の完成された姿は見ていないようである。
ラファエロ、ミケランジェロラの手を経て1626年に完成したらしい。広場の完成はもっと後のことである。
世界最大級の博物館がヴァチカン博物館である、法王の居城であるヴァチカン宮殿内にあるあらゆる宝物がここに展示され公開されている。
見学コースが出来ており、つながっているので指示に従って動いていれば総見できる仕組みである。
回廊にあるヘレニズム彫刻の傑作、ラオコーンに会うのに随分と時間がかかった。
何と最後のピオ・クレメンティーノ博物館にあった。ルーベンスの角度を変えての模写の実像に会えたのだ。
システィーナ礼拝堂は特に見逃せないので オフシーズンであるが7時半に入れるツアーに予約を入れた。
貸切状態といってよいほど静かに、長い時間をかけて堪能した。(写真撮影不可)
新法皇を決めるコンクラーベもこの間で行われる。
ルーベンスも仰向けになって見惚れたのであろう。