聖カロルス・ボロメウス教会は、イエズス会によって1614年から建築を始めて、1621年に完成しました。
もともとは、日本でも有名なフランシスコ・ザビエルの兄弟弟子、イエズス会の創設の立役者イグナティウス・デ・ロヨラの名を取り、聖イグナティウス教会と呼ばれていたようです。
このバロック式の教会は、建築当初よりルーベンスの意向が深く取り入れられ、正面のデザインのみならず、塔の最上の装飾、天井画の制作39枚も描かれ、ルーベンスの思い入れもひとしおの教会でした。17世紀にはその美しさに地上の天国と称賛されました。が、惜しくも1718年、落雷にあってそれらの天井画は消失してしまったそうです。とても残念です。
1773年、法王の命により解散させられ、オランダを治めたウィリアム・オレンジ公がプロテスタント教会に変更させる意向でしたが、カトリック教会が多額のファンドを募って取り戻したという歴史があり、功労者のカロルス・ボロメウス司祭から名を取ったとのことです。
豪華な祭壇です。
2017年に、ルーベンスの『聖なる家族の帰還』が、紆余曲折を経て、この教会に戻ってきたということは大ニユースです。
『聖なる家族の帰還』は美しく修復されていました。この絵はもともと、1620年当時のアントワープ市長のロコックスがこの教会に寄進したものでした。
絵が戻ってきて、ルーベンスも喜んでいることでしょう。やはり、祭壇画は教会で掲げられているのが本来の姿だと思います。
日本ではあまり有名ではありませんが、とても美しい教会でした。