マントヴァ~序 ルーベンスを想う

いよいよ、ルーベンス、マントヴァに到着する

1600年の初夏の頃、ルーベンスはマントヴァ公国に到着。
ゴンザガ公爵公より宮廷画家として召し抱えられたことは、ルーベンスにとってなんと幸せであったことか。
ここに彼の強運を見るのである。

マントヴァへの道

人口湖に囲まれたマントヴァへの道

ルーベンスは、1608年彼が故郷に急ぎ帰るまで8年間、宮廷画家として遇された。
公爵は、ルーベンスをマントヴァだけに留めることなく、スペインへの外交的任務を与えたり、新しい都市に随員として連れ出したり、画業の勉強の為ローマへ行かせるという大らかさを持たれた方で、若いルーベンスにとって最高のパトロンであったかもしれない。

正直に申すと、今回マントヴァを訪れることは私の念願であったのだが、不安があった。
過去の町として葬り去られているのではないかという不安。

北イタリアの中心地とはいえ、現在は直線ルートから少々外れているために忘れられているのではないかと危惧した。
マントヴァという地名はどこかで聞いたことがあっても、現実感は全くなかった。

ところが、世界遺産にサッビオネータと共に登録されていたのである。元気づいた。

ゴンザーガ家の邸宅~ドゥカーレ宮殿前

ゴンザーガ家の邸宅~ドゥカーレ宮殿前

マントヴァはまさに甦っていたのである!

私が知らなかっただけのことであったが、嬉しかった。ルーベンスも草葉の陰から喜んでいるに違いない。

次回からは、訪れたマントヴァについて記したい。

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